静電気を逃す塗料や電磁波を吸収する塗料

塗料用の樹脂は、有機ポリマーで構成されているのが一般的で、
この有機ポリマーの殆どは電気を通さない仕組みになっています。

 

ですが、室内の埃の付着を抑えたりプラスチックを静電塗装したい、
電磁波を吸収してノイズを防ぎたいと言う要請に対して、
電気抵抗の小さな塗料、つまり導電性を付与した塗料を
用いる事ができます。

 

塗料に導電性を持たせるために最も容易で一般的な方法は、
導電性顔料を加えるという方法です。

 

導電性顔料としては、カーボンブラックがあります。

 

しかし、カーボンブラックは、塗料が黒色になり、
淡彩色の塗料ができません。

 

銀・銅・ニッケル、酸化錫などの金属粉も導電性顔料です。

 

アンチモン/錫で表面を被覆した酸化チタン、マイカなどの
白色系導電顔料なども開発されているので、
それらを使うことも多いです。

 

また、塗料に導電性を与えるためには、
顔料同士が接触しているのが一番です。

 

ですから、一定量以上の体積濃度になるよう、
顔料を加えなければなりません。

 

電位を通すかどうかについては、体積固有抵抗値を測定することで分かります。

 

電気絶縁体は、10の10乗Ωcm以上です。

 

帯電防止用塗料は、10の4乗〜7乗?cm、
導電体や電磁シールドは、10の4乗Ωcm以下です。

 

帯電防止塗料は、精密機器や電子部品の製造など
埃を嫌う室内の天井や壁、床面に塗装されています。

 

これは、静電気を逃すことが埃を呼び寄せない事につながるからです。

 

たとえば、自動車のプラスチックバンパーを
静電塗装しようとする場合は、
あらかじめバンパーに導電性プライマー(下塗り)を塗布し、
その上から通常の上塗り塗料を静電塗装します。

 

電子機器や筺体内面に導電性塗料を塗装し、
帯電防止に役立てることもあります。

 

また、電磁波によるノイズが社会問題になっています。

 

この対策のための電磁シールドには銀や銅などの
金属粉を高濃度に用いた塗料が用いられ、
磁気シールドにはフェライトや金属磁体を用いた塗料が使用されています。

 

このように導電性顔料によって導電性塗料を調整しています。

 

そして、静電気を逃す塗料や電磁波を吸収する塗料は、
埃防止や通電、電磁シールドなどに活躍していることが分かります。