擦り傷を防止する塗料

プラスチックは、様々な用途に使用することができ、
加工も自由にすることができる、
まさに20世紀を代表する工業材料です。

 

たとえば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂は、
透明性を活かし、様々な用途に使用できます。

 

ですが、このアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂は、
磨耗傷がつきやすいというデメリットがあります。

 

そこで、表面の高度を増し、耐摩耗性を向上させ、
プラスチックのデメリットを改良するものが必要です。

 

それが、ハードコート(硬いコート)というものです。

 

塗料分野では、硬さの評価に鉛筆を用いる方法があり、
通常の焼付け塗料は2H程度が限度です。

 

しかし、ハードコートでは、5H〜7H程度が可能になります。

 

また、スチールウールによる磨耗の程度も著しく向上します。

ハードコート

ハードコートは、プラスチックガラスやレンズ等の
各種プラスチック製品だけでなく、
パソコンや携帯電話の筺体やテーブル、人造大理石の塗装など、
様々なものに用いられています。

 

ハードコートは、大きく分けると、
シリコーン樹脂系と紫外線(UV)硬化系に分けることができます。

 

・シリコーン樹脂系ハードコート

 

シリコーン樹脂系は、1分子に反応点(X)が3個、
4個あるRSiX3やRSiX4のようなシリコーン化合物を硬化させます。

 

そして、あたかもガラスに似たSi-O-Si結合でつながった
硬化塗膜にしたものです。

 

また、コロイダルシリカ(コロイド状の微粒子シリカ)などを併用し、
硬度を上げたり脆さを改善するのも一般的です。

 

そして、最も高い硬さを得ることができます。

 

しかし、硬化には長時間を要するというデメリットがあります。

 

・紫外線硬化樹脂系ハードコート

 

紫外線硬化樹脂系は、とても密な状態で官能基が反応し、
硬化するように設計されています。

 

具体的には、反応性の2重結合(C=C)をもつ
アクリルモノマー(アクリル樹脂原料の低分子量体)や
もう少し分子量の大きいオリゴマーを組合せたものです。

 

塗料には、紫外線によって反応の開始剤になる
光開始剤が含まれ、硬化が進行します。

 

そして、シリコーン系ハードコートに比べると
硬さは劣りますが、数分以内の硬化時間で完了するという
メリットがあります。