汚れを雨が洗い流す塗料

建物や構造物に付着した汚れは、洗い流すのがとても大変です。

 

ビルの窓ガラスなどは、屋上から吊り下げられたゴンドラに人が乗り、
人力で洗浄しています。

 

しかし、近年になって、汚れを雨が洗い流す塗料が設計されました。

 

それが「自己浄化性塗料」です。

 

自己浄化性塗料は、雨が降ると汚れが自動的に洗い流されます。

 

特に都心部でも油汚れが洗い流されるように設計されています。

油汚れを防ぐための塗料で考慮すべきこと

(1) 塗膜と油汚れの化学構造上の親和性が低い。

 

(2) 塗膜が硬質で、硬化の程度が進んでいて、
   付着した汚染物質が塗膜内部に浸透しにくい。

 

(3) 塗膜表面を親水化し、油汚れを落としやすくする。

 

このうち、(1)と(2)は、他の性能とのバランスも必要で、
このことだけに注視することができません。

 

そのため(3)が最も重要な決め手になります。

親水化とは

塗膜表面に水滴を置くと、水に対する塗膜の濡れやすさによって、
水滴のつくる角度(接触角)が変ります。

 

この接触角が小さいほど、
塗膜の親水化は高いです。

 

耐汚染塗料では、接触角が40度程度以下でその働きが十分に見られます。

 

都市部の油汚れの成分を見てみると、
自動車排ガスのタール状成分等が含まれているので、
塗膜表面を親水化すると、油と塗膜の間に雨水が浸透し、
油分が洗い流される事になります。

 

親水化のためには、表面を改質したシリカゾル(溶液用シリカ)を
塗料中に分散した有機ハイブリッド/無機ハイブリッドや
コロイダルシリカ(コロイド状シリカ)表面を
樹脂でコーティングしたエマルションなどの無機成分を活用した
様々な方法が実用化されています。

 

求められる設計は、表面上に親水性成分が多く存在し、
初期から親水性を示すというものです。